22/12/23

自転車を切断する人たち

殆んどのお客様は自分の自転車を大事に、傷も汚れも付かないように気を使って乗っています。しかし中には愛車のフレームを自ら切断してしまう稀有な方もいるんです。今日はそんなちょっと変わったカスタム車を2台紹介します。

お客様I井さんの「Surly/Midnight Special」です。フレームのトップチューブとダウンチューブをぶった切りです。切断の目的は「輪行」です。
I井さんはこのミッドナイトスペシャルをスポルティーフ的にカスタムしてロングライドと輪行を楽しんでいます。輪行の際、フルフェンダーと前後キャリアを付けたまま梱包しやすくするようデモンターブル式フレームにしたかったのです。ミッドナイトスペシャルをフレームビルダーさんに持ち込んで切断~カップリング加工してもらいました。

分割するとこのようになります。デモンターブル式は分割~接合にちょっとコツが要りますがI井さんは慣れたものです。フル装備スポルティーフがこんなにコンパクトになります。I井さんだけの特製ミッドナイトスペシャルです。


こちらはお客様I垣さんの「EddyMerckx」です(何というモデルかは分からない)。右シートステーをぶった切りです。切断の目的は「ベルトドライブ」です。
もう30年以上前の古いクロモリフレームですが、I垣さんは気軽に乗れる街乗りバイクとして再生しました。駆動系を普通のチェーンでなく、メンテナンスフリーのベルトドライブにしたかったI垣さんですが、ベルトは切断できないので普通のフレームには通せません。というわけで右シートステーを切ってしまいました。

切断部には分離可能なカップを設けて、再度ベルト交換ができるよう工夫してあります。I垣さんはこれらの加工を全て自分でやってしまいました。
お洒落で快適な街乗りバイクに生まれ変わったI垣さんだけの特製エディメルクスです。

「こんな加工をしちゃって大丈夫なのか?」と思いますが、2台ともカスタムしてから既に2年ほど走っており、今のところ全く問題ないようです。もちろんお二人とも自己責任においてカスタムを楽しんでいます。
そう簡単には真似の出来ない、ちょっと変わった2台のカスタム車でした。
(このようなフレーム加工は当店では承っておりません。フレームビルダーさんに御相談ください)

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