暮れの紅白歌合戦、私は本を読みながらボーッと聞いてたんですが、一曲だけグッと魅入ってしまった曲がありました。石川さゆりwith布袋寅泰「天城越え」です。さゆり姐さんの情念の籠った歌声と、布袋アニキの太くて粘っこいギターサウンドのロック演歌。赤組トリを飾るのに相応しいパフォーマンスでした。
…という訳で昨日の定休日、行って参りました、天城越え! 天城峠のピークで「天城越え」を聴くぞ!
起点は湯ヶ島温泉。天城峠~R414~K15~松崎港~K59~仁科峠と経由する90kmの行程です。
さゆり姐さんは「あなたと越えたい、天城越え」と歌ってますが、私はぼっちで天城越え。スタートしてすぐ「浄蓮の滝」を見学。歌にも出てくる名瀑です。天城の旧道は砂利道で、ロードバイクじゃキツいけど、パンク修理は慣れてます。トンネルの明かりは裸電球。良い雰囲気の随道を、抜けたところで歌を聴き、ひとまず山を下ります。さゆり姐さんは「嘘でも抱かれりゃ暖かい」と歌ってますが、私はぼっちで心も寒い。この日はずっと曇り空、しっぽり濡れた下り坂、険しい砂利の旧道を、焦らずゆっくり下ります。
海を見ながらひと休み、次の峠に備えます。仁科峠は伊豆の難所、疲れた身体に鞭打って、急勾配を登ります。さゆり姐さんは「くらくら燃える 地を這って」と歌ってますが、私は疲れてクラクラです。さゆり姐さんは「戻れなくても もう良いの」と歌ってますが、私は千葉に日帰りです。明るいうちに下山したい。仁科峠の頂上は、良く整備された景勝地。ここでようやく雲が晴れ、360°の絶景を、明るい陽光が照らします。眼下に見えるは駿河湾、隣の山は棚場山、稜線に伸びる高原ロード、疲れが吹き飛ぶ景色です。
いやぁ良い道だった。楽しいサイクリングだった。また行きたいルートです。そのときはぜひ「あなと越えたい、天城越え」