最初に申し上げておきますが、私は決して呉工業の「5-56」というケミカルが嫌いなわけではありません。お店でも固着したボルトを緩めるときなどに使っております。問題は「このケミカルを間違って使う方が多すぎる」ということです。
「ブレーキが全然効かない。直してくれ」という御依頼を頂きました。仰る通り、フロントブレーキが全く効きません。…嫌な予感がしました。お預かりした自転車からKURE556の独特な臭いがプンプン立ち昇ってくるのです。…果たして…リムが油でツルツルでした! 後でお客様に聞くと「ホイールを556で磨いた」とのことです…
日本人は本当にKURE556が好きです。滑りが悪いと556! 滑りすぎても556! 錆びたら556! 汚れたら556! 変な音がしたら556! ガタついたら556! とりあえずKURE556!って人が本当に多いです。何故だ!?
この油ギットリのリムは、Wako’sのBC-8をジャバジャバ噴いてウェスで拭きあげ油膜を取ろうと試みましたが… ダメでした… ブレーキシューを新品に交換しても、ブレーキの効きは完全には戻りませんでした。ホイールからタイヤを外して、パーツクリーナとウェスをたっぷりと使い、時間をかけて脱脂すれば直ると思われますが、数千円ほど頂く作業になってしまうので今回は一旦お返ししました。
「BC-8ならひと吹きで勝てる」と思ったのですが556の油膜はそう簡単には落とせないようです… 知名度もKURE556の勝ちですね…