24/03/10

作業スタンド考


私は昔からワークスタンドは「床スタイル」です(上写真のようなメンテスタンド)。ときどき常連のお客様に「テンチョーもプロショップっぽい作業スタンドを使いなよ」とからかわれるのですが”床タイプ”を貫いています。

今まで幾つか「クランプ吊り下げ式」や「アクスル固定式」で車体を浮かせるワークスタンドも使ってみたのですが、やっぱり”床タイプ”に戻ってしまいました。ParkToolのガッチリしたリペアスタンド(上写真)も持っており時々使っているのですが、やっぱりメインは”床タイプ”です。
これにはちゃんと理由があります。実際の作業においては、バイクに前後輪が付いた状態で床にしっかり接地していなければならないケースのほうが多いのです。

お客様からの作業依頼は大きく二つに分けられます。
①即日対応作業 … 変速調整・ブレーキ調整・パンク修理・異音・ガタつき・回転が渋い・消耗品(タイヤやチェーンなど)交換・全体点検・ライポジ変更 etc…
②数日お預かり作業 … オーバーホール・コンポ載せ替え・フレーム載せ替え etc…

ご依頼件数が多いのは「①即日対応作業」のほうです。ひっきりなしに作業依頼が来るので迅速な作業が求められます。スタンドへの上げ下げが素早い”床タイプ”のほうが便利。
そして作業内容的には、前後輪ともバイクに履かせてしっかり接地している状態でないと作業にならないケースが多いのです。異音・ガタ付き・ブレーキ効きなどは車体を床にグイグイ押し付けないと点検~調整~確認できないのです。
その他、店内作業スペースが狭いこと、作業済みバイクをサッと移動できることも”床タイプ”を使ってしまう理由のひとつ。
そんなわけで”床スタイル”に偏ってしまいました。

しかし一方「②数日お預かり作業」のほうは吊り下げタイプのワークスタンドのほうが向いています。じっくり落ち着いて組み立ての段取りを決めてから作業着手し、正確・丁寧・慎重に組み立てを進めます。ケーブル完全内装・油圧ディスクブレーキ・Di2セッティング・圧入BBなどの作業は車体を浮かせたワークスタンドのほうが作業しやすい。俺も歳とって”床スタイル”で腰曲げて作業するのがキツくなってきたし。そろそろ吊り下げタイプのワークスタンドに慣れておくか…

というわけで店内作業用のスタンドを新調しました。ミノウラの「RS-1850」、アクスル固定式レールで車体を浮かすワークスタンドです。
先日ご依頼頂いたSpecializedのコンポ載せ替え作業から実戦投入。あぁこりゃ使い易いね。もっと早くから使ってれば良かったよ。これからどんどん活用しよう。
このタイプのワークスタンドとしては価格も抑えめ(当店価格¥25,580)なのでお客様にもお勧めです。お取り寄せできますのでお申し付けください。

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