ブリヂストンアンカーの「RNC7」です。お客様Yさんに8年前に御購入頂きました。今回はオーバーホールでお預かりしました。
このクロモリフレームは「ネオコット」という呼称が付いており、各パイプ接合部の美しい形状と、無段階バテッドパイプによる軽さとしなやかさが特徴です。
クロモリパイプの形状が単純な丸パイプでなく複雑な形に成型されています。特にパイプ接合部のラッパ型にフレアした形状が独特ですね。これは「バルジ成型」という製法で作られたパイプで、強度と美しさを兼ね備えたフレームに仕上がっています。
パイプの内側も特別な加工が成されています。パイプの肉厚が無段階に変化する「スピニングバテッド」という技術で加工されているのです。強く、しなやかで、そして軽量化も実現できる製法です。
こんな高い技術で造られた「ネオコットクロモリ」ですが、実は一昨年にひっそりと生産終了しており、もう手に入れることは出来ません。う~ん、残念ですね…
生産終了の理由は「設備の老朽化」だそうです。カーボンフレームとアルミフレームが全盛の現在、クロモリフレームのための生産設備に新たに投資するのは難しいようです。ブリヂストンサイクルと言えどもコストダウンは命題なのでしょう。
「もう買えない」となると欲しくなるのが人の性です。一昨年”ネオコット生産終了”の報を聞いたとき「1本オーダーしちゃおう」と思ったのですが、このとき既に受注も止まっていました。いきなり終わっちゃったネオコットです。惜しいなぁ…
「ネオコットクロモリ」、当店でもたくさん売りました。今や貴重なフレームです。オーナーの皆さんは大事に乗ってください。