ここ最近増えている整備依頼が「数年間乗らなかった自転車の不具合」です。
「数年間ブランクがあったが久し振りに乗りたくなった」
「親戚が数年間乗らなかった自転車をくれた」
「中古ロードバイクを買った」 等々…
いずれも「屋内で保管していたのに」という前置きが付き、仰るとおり外観はそこそこ綺麗です。「家の中で大事に保管していたのに何でダメになっちゃったの?」と皆さんに聞かれます。私は「乗り物って走らせないとダメになっちゃうんです」とお答えしています。
これらのケースでは多くの車両が
① タイヤ・チューブ・ブレーキシュー・バーテープの交換
② 変速不具合
③ シートポストの固着
といった作業内容になる場合が多いです。
① タイヤ・チューブ・ブレーキシュー・バーテープの交換
ゴム製品・繊維製品の劣化なので仕様が無いです。昨今は補修パーツも値上がりが激しいので、これらを交換すると2~3万円くらいかかってしまいますが御理解ください。
② 変速不具合
簡単に直るときと直らないときがあります。
多くの場合、長年動かさなかったことによりシフトレバー内のグリスが固まってラチェットギアが反応しない状態となっています。これはヘアードライヤーをシフトレバーにブォーブォーと吹き掛けながら動作させることで動きが復活します。ヘアードライヤー作戦はお客様にも出来ますので「STIレバーが反応しない」という方はお試しください。
ヘアードライヤー作戦で直らない場合はSTIレバーが逝っちゃってると思われます。レバー&ケーブル交換です。数万円かかってしまいますが御理解ください。
③ シートポストの固着
直せない場合が多いです。御理解ください…
写真のバイクはお客様Kさんが久し振りに走らせたくなったTREK/Madoneです。今回は「① チューブラータイヤ交換、ブレーキシュー交換、バーテープ交換」と「② 変速レバーが反応しない」に対処しました。きっちり直り、コンディションを取り戻しました。
だけど前述のとおり、乗り物って走らせないとダメになっちゃうんです。このMadone、素晴らしいバイクなので継続的に走らせてあげて下さい。