これがいまバカ売れしている電動アシスト車「ブリヂストン/TB1e」です。コロナ禍で電車通勤が嫌になった方の通勤の足として、自転車でちょっとだけレクリエーションしてみたくなった方のサイクリング用として、UberEats御用達マシンとして売れているようです。
この電アシ車、ある意味 最強の「スポーツ風 電動アシスト自転車」なんですが、決して「スポーツEバイク」とは呼べない自転車です。そのへんを紹介してゆきましょう。
最初に褒めたい点から述べます。①低価格・②電費、この2点は海外ブランドのeバイクが全く敵わないTB1eの強みです。
まず価格、定価¥142,780(税込み)です。海外ブランドのEバイクは30万円前後で”安い”と言われているなか、TB1eはそれらの半額以下です。大手メーカーのスポーツ系電アシ車としては断トツで安いです。
次に電費。バッテリ消費は他ブランドとさほど変わりませんが、TB1eは「回復充電」という機能を備えています。ブレーキング時の減速エネルギーを回収して充電に回すのです。ブリヂストンの回復充電はとても効率が良いことで知られています。ロングライドやヒルクライムに使うスポーツ系電アシ車には有効な機能ですが、海外ブランドは超高級Eバイクでも実用化されていません。
にもかかわらず「スポーツEバイク」とは呼べないのは何故か? ①ママチャリと同じ規格・②スタイリング・③フレームサイズ、この3点が致命的です。
まず各パーツの規格。タイヤサイズは27″×1-3/8、リアブレーキはローラーブレーキ、リアエンドは正爪。ガラパゴス化した日本のママチャリの規格そのものです。タイヤは700c規格にして色々なタイヤを履けるようにして欲しい。リアブレーキはVブレーキにして欲しい。リアホイールはクイックリリースにして欲しい。モーターを積んだフロントホイールももうちょっと簡単に着脱できるようにして欲しい(スポーツ車は出先でのパンク修理・車載・輪行が課題なので前後輪着脱が容易でないと困る)。
次にスタイリング。デザインは主観が入るので一概に言えないですが… これはカッコ悪いだろ… 特にクランク周りとバッテリ搭載位置。もうちょっと何とかならないものか…
次にフレームサイズ。1サイズしか用意されていません。正しい姿勢で乗れない人は多いでしょう。
モーターのパワーは実用充分。前輪駆動もなかなか評判良いです。盗難補償付き(3年間)も嬉しい。カタログ車重は22kgですがフェンダー・キックスタンド・サークルロック・チェーンガードなど要らないものを外せば20kgくらいまで軽量化できるでしょう。これはそこそこ軽い。
この低価格を維持したまま、回生充電付き前輪駆動という独自規格を更に熟成させ、スポーツ車としてのクオリティを高めてくれれば海外ブランドの高級車が青ざめる「スポーツEバイク」に化けると期待しています。
褒めてるんだか貶してるんだか分からない在庫車紹介になってしまいましたが街乗り実用車としては非常に優れたTB1eです。是非どうぞ!