18/05/29

見えないところで千切れる

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変速トラブルの事例です。このトラブルは数ヵ月に1回くらい持ち込まれるのですが、何故か今月は4件も診たので紹介しておきましょう。
STIレバーの内部で変速ケーブルが千切れてしまう(千切れかかってしまう)というトラブルです。写真のカバーを外したSTIレバー、下側にほつれたケーブルが見えますね。これが変速不具合の原因です。
今月診た4件に共通するのは「アルテグラの右STIレバー」「たくさん走る人」という点です。うち3件は当店の常連のお客様で、定期的にオーバーホールを御依頼くださりしっかり整備が行き届いたバイクです。たくさん走るとたくさん変速操作するので、STIレバーの中で強く屈曲したケーブルに負担が掛かるのでしょう。
このトラブルは「予見が難しい」「古いケーブルでなくても起こり得る」という点が厄介です。出先でこのトラブルが起きてもいちおう走行は可能なので最悪の状態は避けられますが、ツーリング先で変速しなくなるのは御勘弁願いたいですね。
変速が不調を示し始めたら「変速ケーブルのテンション」「後輪の固定」「リアディレーラーハンガーの歪み」「チェーンの伸び」「スプロケのガタ」など基本的な点をチェックし、それでも治らなかったらSTIレバーのブラケットフードをめくって変速ケーブルを見てください。ケーブルがほつれていたらこのトラブルです。諦めて変速ケーブルを交換しましょう。

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