16/08/19

北陸輪行②

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じて吉の夏休み、2日目はこの旅の本題「宮本 輝の小説の舞台巡り」です。距離90km、登り坂は殆んど無いのでのんびり走れます。
この日も降水確率60%の予報ですが、宮本さんの小説の中では「富山の空は鉛色だ」と表現されているので、「鉛色の空をよく見てこよう。雨が降ってもいいや」と思っていました。しかし実際は朝から夕方まですっきり晴れて暑いくらいでした。
まずは昨年に発行された小説「田園発 港行き自転車」の舞台を走ります。黒部の愛本橋、生地駅の湧き水、旧北陸街道、岩瀬の旧家町など… 「もう二度と来れないかも」と思うとこの情景を目に焼き付けておきたくなり、ことさらゆっくりと走ります。
富山の中心部を抜けてからは宮本さんの代表作「螢川」の舞台となった「いたち川」と「神通川」を見に行きます。「螢川」は昭和30年代の物語、しかも雪の積もる真冬が舞台です。50年後の真夏の風景と小説に描かれている情景は全く違うのですが、サラサラと流れる川の流れを見つめながら「これがいたち川か…」と感慨にふけるじて吉です。
富山は町の至る所に大小の川が流れ、その川の水が澄んで綺麗なのが印象的でした。また、富山の人々のクルマの運転は自転車に対してとても優しく、こちらも優しい気持ちになってゆきました。海・山・川に囲まれ、豊かな水と緑に育まれた富山の地を自転車で走りながら、宮本 輝さんの言う「紛れもない富山の風景」が分かったような気がします。「またいつか来よう」と思いながら、夜の新幹線に乗って帰りました。

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